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自己破産増加の原因は何ですか?

自己破産の申請者数がここ数年急増しつつあります。不況の長期化で、バブル期に利殖でマンションを購入していた中高年がいよいよ払い切れなくなって破産を宣告したり、リストラで給与が減ったり、解雇されて破産に追い込まれたといった例が中心になっています。消費者金融だけでなく、それ以上に、銀行の住宅ローン、信販、カードなど、複数の業界がからんだ自己破産の増加が特徴といえます。JCFAでは、1977年(昭和52年)に会員各社に対し、過剰融資などの営業姿勢についての自主規制である倫理規定を設け、それ以後、会員会社は厳しい審査による与信を心がけています。

そのため多少の差異はありますが、成約率は30~70%、つまり10人中3~7人は融資を断っているという現状です。1業者あたりの貸付金額は50万円、または年収の10%に相当する金額と事務ガイドラインで示めされています。借入申込者の収入や他社借入の有無、返済能力など、各社独自の方法で厳重な審査を実施し、慎重に契約一取引きを行っています。従って現在では、自己破産の発生に占める消費者金融の割合は、それほど大きくはありません。(株)東京銀行協会の「銀行よろず相談所」の並木和夫氏は、自己破産件数の4割は住宅ローンの「ゆとり償還」だと指摘しています。

同氏の主張はおよそ次のとおりです。「通産省や建設省が内需拡大を大声で叫び、住宅金融公庫の尻をたたき、ゆとり償還という超変則な融資返済方法を実行した行政にも、自己破産増加の責任があるといってよいでしょう。20年、30年の長期住宅ローンの返済で、最初の5年間は返済額を少額に抑えるが、6年目からは数倍に跳ね上がるという「ゆとり償還」は、返済額が少ないうちに貯蓄できそうにも感じ、一見ラクな返済方法ですが、実は物件を少しでも売りやすくするための業者思いのシステムにほかなりません。

消費者にすれば、ゆとり償還によって今まで月4万円で済んでいたローンが、ちょうど6年目を迎える1998年(平成10年)、1999年(平成11年)あたりから7万円超になり、大変なショックです。しかも給与や賞与が右肩上がりで上昇することを前提にしていたのが、経済は大きく下降し、毎月赤字が膨れ上がっていく。なるべくして破綻すると言わざるを得ません。急増する自己破産件数に占める住宅ローンの割合の高さは、実は全銀協がカウンセリングサービスを始めたキッカケの1つにもなっています。」(月刊クレジットエイジ1999年・平成11年9月号)