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グレーゾーン金利がなくなることの意味

今回の改正貸金業法の実施によりもう一つ大きく変わったことはグレーゾーン金利が廃止されたことです。このグレーゾーン金利があったために、貸金業者は過去、法外ともいえる高金利を取ることができ、また、昨今は、最高裁の判例により過払い金の返還を求めることができるようになったため、全国的に過払い金の返還訴訟が急増することになったのです。グレーゾーン金利について整理しますと、グレーゾーン金利とは、もともとは、利息制限法の金利(15、18、20%)を超え、出資法上の金利(29・2%)以下の金利のことを指しました。

このグレーゾーン金利の部分については、従前は、貸金業法上の一定の要件を満たした場合には、有効な金利として、貸金業者が受け取ることを認めておりました。このため、ほとんどの貸金業者が、このグレーゾーン金利で金利を取っていたのです。なお、出資法上の金利を超えた場合には、刑事罰が科されるため、ヤミ金業者でなければ出資法上の金利を超える金利で貸し出すことはありません。しかしながら、このグレーゾーン金利について、平成18年1月13日に最高裁の判決が出され、この「一定の要件」を非常に厳しく捉えることとなりました。

通常の取引において一定の要件を満たしていると判断されることがなくなり、その結果、グレーゾーン金利は有効な金利ではないとして、全国で過払い金の返還を求める裁判が起こされることになったのです。借り手からすれば、過去支払ったお金が戻ってくるので大変喜ばしいことですが、貸金業者からすれば今まで返還を求められていなかったお金について、突然返還を求められる事態となっており、大変な逆風です。

こめような混乱が生じる原因はいうまでもなく貸金業法上のあいまいな規定にあります。そこで今回の改正により、利息制限法上の金利と出資法上の金利をほぼ一致させることで、グレーゾーン金利を廃止しました。改正前と改正後の金利の変動を表で示すと下記の表のようになります。借り手にとって、グレーゾーン金利がなくなることの意味は、今後は少なくとも20%を超える高金利で貸し付けを受けることがなくなるというメリットがあるのです。