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任意の和解交渉である「任意整理」についてのQ&A

・任意整理をすると取り立ては止まりますか。
止まります。弁護士の受任通知が届いた場合には、債権者は債務者本人に対して取り立てをしてはならないとされております。

・職場や家族に知られることはありますか。
基本的にありません。弁護士が受任通知を出したとしても、債務者の勤務先や家族にそのことが伝わることは通常ありません。また、受任通知到達後、債権者が理由もなく債務者の勤務先や家族に問い合わせをすることもできません。

・任意整理によってどの程度負債が減少しますか。
約定利息が利息制限法の範囲内か否かによってどの程度負債が減少するか否かが変わります。約定利息が利息制限法の範囲内である場合には、原則として、負債が減少することはありません。ただ、一括で返済する場合には、減額に応じてくれることがあります。約定利息が利息制限法の範囲を超える場合には、借入年数がどの程度かによって変わります。借入年数が1~2年の場合にはほとんど減少しない可能性が高いです。減少したとしても1割程度です。5~6年の場合には、2~3割減少することもあります。10年を超えるような場合には、過払いが生じていることも多いです。昭和の年代から借りているような場合には、過払い額が数百万円にのぼることも少なくありません。もっとも、これらはどのような借り入れ・弁済をしているかによって異なりますので、絶対的なものではありません。

・引直後の負債額について、何年程度で返済していくのでしょうか。
一括で返済するのでない場合には、おおむね3~5年程度で分割返済していくことが多いです。10年程度の分割返済をすることもあります。分割の回数が少ない場合にはそれほど問題がありませんが、分割の回数があまり多い場合には、債権者が和解に応じてくれないこともありますので、その場合に、和解を成立させるためには、分割の回数を減らすことになります。どういう債権者がどの程度の分割返済に応じてくれるかはケースバイケースですが、消費者金融系の債権者は、3~5年というのが通常でしょう。負債額が少ない場合には「3年以内でなければ和解できない」と言ってくることも少なくありません。消費者金融系以外の業者で金額が多い場合には10年程度の分割返済で和解してくれることもあります。

・任意整理をする債権者と任意整理をしない債権者を選択することができますか。
できます。例えば、自動車ローンを組んでいるような場合には、自動車ローンを組んでいる債権者については、任意整理せず、従来どおり返済を続けることで自動車を保有し続けることができます。この点は、全債権者について申し立てをしなければならない破産・個人再生の場合と大きく異なります。また、ある債権者について、保証人をつけている場合、任意整理によって、その保証人に請求が行くことを避けたい場合には、その債権者についてのみ任意整理をしないということもできます。知人からの借金、勤務先からの借金なども同様に整理するか否かを選択できます。

・受任通知によって、債権者からの調停や訴訟などの法的手段を防げますか。
防げません。任意整理はあくまで弁護士と各債権者が裁判外で交渉するものにすぎず、各債権者の法的な権利を制限するものではありません。

・官報に掲載されることはありますか。
ありません。官報に掲載されるのは破産と民事再生の場合です。

・和解金額についてですが、最終取引日の時点での引直金額で和解するのでしょうか。
あるいは、それ以降の和解成立日までの利息もつくのでしょうか。原則として、最終取引日の時点での引直金額で和解します。依頼者の経済的負担を減らすという観点から、通常は、最終取引日(最後に返済した日あるいは最後に借り入れをした日)を基準としますが、最終取引日から和解成立まで相当の期間が経過している場合には、債権者が、和解成立日までの経過利息をつけるよう要求することがあります。この点、東京三弁護士会の基準(三会統一基準)によりますと、最終取引日以降の経過利息をつけないこととなっており、通常の弁護士も同基準で交渉しておりますが、債権者がその基準では和解に応じない場合には、依頼者と相談のうえ、依頼者の納得する金額で和解することになります。
                              
・和解金額について経過利息はつきますか。
通常つきません。任意整理の場合、弁護士と各債権者との交渉により、和解金額を確定し、その金額を月々支払っていくことになりますので、その和解金額に利息をつけることはありません。ただし、債権者によっては、経過利息をつけない限り和解しないという債権者もおりますので、その場合には、協議が必要です。また、経過利息とは別に、2回以上遅滞した場合には遅延損害金を支払うという条項は通常設けます。

・税金や社会保険料(健康保険料・国民年金保険料)も任意整理の対象とできますか。    
できません。税金や社会保険料については、自己破産や個人再生によって免責あるいは減額することはできないとされており、任意整理によっても免除・減額することは、通常できません。