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話し合いで借金が減額できる

すでに述べましたように、もともとの取引が従前の利息制限法の金利を超える場合には、引直計算をすることで金額が減りますので、借金を減額することができます。例えば、平成20年1月1日に50万円を金利28%で借り、その後2年間毎月2万円ずつ返済していった場合の残高は、以下のように24万9677円になります。これに対して、50万円で借り入れする場合の利息制限法の金利は18%のため、この金利で引直計算をすると残高は以下のように15万9466円になります。結局、この場合、24万9677円-15万9466円=9万241円減額されることになります。そして、この場合、業者と交渉する場合の金額は15万9466円かペースとなるわけです。

ちなみに、利息制限法の金利は次のようになっております。他方、当初の取引金利が利息制限法の範囲内である場合には、引直計算によって金額が減ることはないので、任意整理によって借金を減額させることはあまり期待できません。ただし、一括で支払うことを条件に8割程度に減らすことや、「この金額で和解できなければ破産する」と言って減額してもらうことも場合によってはあります。こういったことができなくとも、当面の支払いを止めたり、経過利息や遅延損害金をなくせる場合があるので、そういった点でのメリットはあります。弁護士などが交渉し、最終的に和解した場合、和解書を作成して解決ということになります。

個人再生と比べたメリットは、①任意整理の場合、整理する対象を選べるということです。個人再生の場合、法的整理のため、債権者を一律に扱う関係上、この債権者は個人再生しないということができないのです。この点は、勤務先からの借り入れがあるとか、身内・知人からの借り入れがあるという場合に問題となることが多いです。他方、任意整理の場合、勤務先からの借り入れは手をつけたくないという場合、勤務先は外すことができるのです。また、②個人再生と異なり、官報のような公の書類に名前が載ることがないので、それだけ他人に知られる可能性が低いというメリットがあります。

個人再生の場合、手続開始後3回は官報に載りますので、金融機関、官公庁にお勤めの方の場合、職場に知られる可能性がありますが、任意整理の場合には、通常整理をしたことが知られることはありません。個人再生と比べたデメリットは、①あまり借金が減らないという点です。個人再生の場合、引直計算後の金額のおおむね1~2割に減りますが、任意整理の場合、引直計算後の金額以上に減ることは原則としてありません。したがって、過去の取引が高金利でかつ長期間にわたる場合には任意整理でも大幅に減ることはありますが、そうではなく、過去の取引がそれはどの高金利ではなく、かつそれほど長期間でないという場合、任意整理ではほとんど減らないこともあります。

とりわけ法改正によりグレーゾーンがなくなって以降の現在の取引については、引直計算によっても減ることはないので、将来的には任意整理という方法はあまり意味がなくなる可能性があります。また、②任意整理の場合、裁判を止められないというデメリットもあります。個人再生の場合には、訴訟自体は止められませんが、強制執行はいずれにしても止められます。自己破産の場合には、訴訟自体も止められます。これに対して、任意整理の場合、業者が裁判を起こしてしまうと、ほぼ業者の主張する内容で和解せざるをえなくなります。信用情報機関に登録され、カードが6~7年使えなくなるという点は同じです。