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「個人再生」に関するQ&A

・何年で返済していくのでしょうか。
原則3年ですが、特段の事情がある場合には5年を超えない期間とすることができます。この場合、特段の事情があることを示す上申書などを提出します。

・認可決定後の返済ですが、申し立てからどれくらい経って始まりますか。
標準的なスケジュールですと、申し立ての約8か月後から返済が始まります。返済が始まるのは、再生計画の認可決定が確定した日の属する月の翌月からとなります。認可決定の確定日は、官報掲載から2週間後となっております。通常の流れは、認可決定が出てからおおむね2週間後に官報に掲載され、さらにその2週間後に確定しますので、その翌月から弁済を開始していくことになります。

・法人も利用できるのでしょうか。
できません。法人の場合には通常の民事再生手続になります。

・負債額が5000万円を超える場合にも利用できるのでしょうか。
できません。この場合も、通常の民事再生手続になります。

・個人再生により、税金や社会保険料(健康保険料・国民年金保険料)も減額されますか。
減額されません。税金や社会保険料については、個人再生により減額させることはできません。

・小規模個人再生において、債権者の過半数の同意は得られるのでしょうか。
多くのケースでは、賛成が得られます。これは、債権者としては、不同意にした結果、個人再生が認められず、最終的に破産となった場合には、全く返済されない可能性があり、そのような結果になるのであれば減額したとしても返済してもらったほうがよいからです。ただし、日本政策金融公庫(旧国民生活金融公庫)等の政府系金融機関の場合には、不同意意見を出してくることもありますので、要注意です。また、最近は、自社で過半数を占める場合には反対をすると言ってくる貸金業者もおります。

・個人再生の申し立てをした場合、債権者は①訴訟を提起したり。②強制執行したりできるのでしょうか。
①訴訟に関しては、債権者は訴訟提起することは可能です。②強制執行に関しては、再生手続開始決定により、以後、強制執行を申し立てることはできず、現在進行している強制執行は中止されます。①に関しては、訴訟を起こして判決を取っても強制執行できないので、個人再生を申し立てれば、提訴してくることは通常はありません。また、訴訟がすでに始まっているような場合には、個人再生申立後、債権者は、訴訟を取り下げることが多いです。

・再生債権について、債権者は、いつの時点までの利息をつけてくることが多いのでしょうか。
通常の業者ですと、再生手続開始決定前までの利息をつけてくることが多いです。申し立てる側からすると、できるだけ借金を減らしたいので、最終取引日までの利息で申し立てることもありますが、法律的には、再生手続開始決定前までの利息をつけることは可能なので、最終的には債権者の主張が通ってしまいます。

・知人が保証人となっておりますが、個人再生によって、保証人の負担も減りますか。
減りません。保証人だけでなく、自宅を担保として提供している物上保証人の負担も減りません。なお、保証人自身が個人再生をすれば減ります。

・自分が主たる債務者となっている負債のほか保証人となっている負債についても申し立てる必要があるのでしょうか。
あります。自分がおよそ債務者になっている負債については、すべて申し立ての対象となります。具体的には、主債務のほか連帯債務、連帯保証などです。

・時価100万円の自動車を保有しております。この自動車は処分したくないのですが、処分しなくとも大丈夫でしょうか。
処分する必要はありません。すでに述べましたように、個人再生の場合、自己破産と異なり、資産を処分する必要はありません。ただし、精算価値には含まれます。

・知人から借金があるのですが、この借金については外すことができますか。
できません。個人再生は法的整理なため、すべての借金を対象としなければなりません。勤務先からの借金なども同じです。

・勤務先に発覚しませんか。
通常は勤務先に発覚することはありません。①弁護士が受任通知を発送した後は、債権者が職場に問い合わせすることはできませんし、②個人再生申立後に裁判所などからいろいろな書類が送られてきますが、それらは通常弁護士のもとへ送られてきます。また、③官報については、普通の会社であれば官報を細かく調べるということはしないので、官報を通じて発覚することは通常ありません。もっとも、職場が金融機関であったり、役所である場合には官報を通じて発覚する可能性はそれなりにありますので、注意が必要です。なお、勤務先からの借金がある場合には、勤務先を債権者として申立書に記載し、その結果、裁判所から通知が届きますので、当然発覚してしまいます。

・再生計画案を提出する段階になって、他にも債権者がいることがわかりました。この債権者について、どのように取り扱えばよろしいでしょうか。
個人再生の場合、債権届出期間後の債権者の追加は認められておりませんので、再生計画案に追加することはできません。ただ、自認債権として、ほかの債権者と同じ返済率で返済していくことになります。実質的にはその分返済額が増えることになります。例えば、もともと500万円の借金があり、それが個人再生により100万円(最低弁済額基準)になったとして、他にも50万円の借金があったことが再生計画案提出段階で判明した場合、この50万円について、別途10万円を支払うことになります。

・再生計画に沿って返済中です。返済期間は3年です。今回、ボーナスが多めに出たので。まとめて返済することはできるのでしょうか。
できます。遅滞にならない限り、どのような返済をするかは再生債務者に任されております。

・小規模個人再生において、再生計画案が不認可となった場合、どうなるのでしょうか。
申立人が自己破産を望む場合には職権破産に移行します。自己破産を望まない場合には、給与所得者等再生あるいは任意整理を選択することになります。

・投資用の物件については、住宅ローン付個人再生を利用できますか。
できません。「住宅ローン付個人再生を利用できるのはこんな場合」で述べたように、居住用の物件に当たらないからです。